映画「耳をすませば」に登場する天沢聖司に関する記事です。
「耳をすませば」は心温まる青春ストーリーとして知られていますが、この映画に登場する天沢聖司はストーカー、またはサイコパスな行動が見られ、ヤバいやつだと言われています。
一見イケメンでクールな印象の彼ですが、キャラクター分析を深めていくと主人公・月島雫に近づくために様々な行動をしていることが見て取れます。
ただ、これはあくまで「そういう見方ができる」というものです。
映画のファンや新たな視聴者にとっても、この分析は彼のキャラクターに対する見方を変えるかもしれません。
「耳をすませば」という映画は非常に素敵な映画なので、基本的には素直にみるべき作品でしょう。
そのことを踏まえたうえで、興味のある方はこの記事のを読み進んてもらえたらと思います。
天沢聖司のキャラクターとは?
出典:公式サイト
天沢聖司は、映画『耳をすませば』の中心的人物の一人で、主人公・月島雫のクラス違いの同級生です。
彼の父親が所有するアンティークショップに雫が訪れたことから、二人の交流が始まりました。
彼は非常に聡明でな青年で、天沢製作所の跡取りとして将来を期待されています。
基本的には周りに流されるようなことがない性格で、バイオリンへの情熱が高い人物です。
天沢聖司は自らもバイオリンを手作りするほどの熱心であり、演奏までこなすイケメンぶり。
こういった情熱や姿勢は雫をも魅了し、雫の成長にも大きな影響を与える重要な要素となっていきます。
ただ、恋愛に関しては得意ではないようです。
天沢聖司がヤバい:ストーカー・サイコパスといわれる真相
天沢誠二はクラスが違う同級生の月島雫に好意を抱いています。
そのうえで、様々な裏工作により月島雫への接近を目論んでいる非常にヤバいやつだ言われている理由について迫っていきました。
図書館での観察
図書館では月島雫へ「名前の刷り込み」を行います。
月島雫が図書館へ通っていることを突き止めた天沢誠二は、月島雫が読みそうな本(ファンタジー系)を先回りして借りておき、そこへ自分の名前を記入して残していきました。
その行動を繰り返し行い、実際に目にした月島雫は「またこの人だ」「この作品も読んでいる」というように、「天沢誠二」という人物に興味を持つようになってしまいます。
これが天沢誠二による「名前の刷り込み」です。
ちなみにストーリーの最後には、「俺、図書カードで、ずーっと前から、雫に気がついてたんだ。」と暴露します。
さらに、
- 「図書館で何度もすれ違ったの知らないだろう。」
- 「となりの席に座ったこともあるんだぞ。」
- 「俺、お前より先に、図書カードに名前書くため、ずいぶん本、読んだんだからな。」
といったことを雫に直接伝えています。
自分でストーカーしていたんだと伝えるようなものですが、天沢誠二の虜になった雫にはそのことに気づくことができません。
悪い印象から好印象に促す恋愛テクニックを使う
映画の印象的なシーンの一つに、天沢誠二は月島雫に対して「お前さ、コンクリートロードは、やめた方がいいと思うよ。」と嘲笑うシーンがあります。
これは、月島雫がカントリーロードの替え歌の歌詞に対していっているのですが、実はこの時が初対面です。
そしてこの時には図書カードの仕込みはすでに終えています。
初対面の女性に対してこういった発言をすることは、相手に嫌な思いをさせるためかなりリスキーですし嫌われかねませんが、これをやれるメンタル面の強さは非常にすごいところ。
そのほかにも、月島雫に弁当を返すシーンで「お前の弁当、ずいぶんでかいのな」と揶揄するシーンがあります。
この発言は弁当が月島雫の父親のものだとわかったうえでの発言です。
ストーリーの後半にはその弁当の件に対して「わかってるよ。お前のじゃないことぐらい」と優しくします。
「悪いやつが良いことをするといい印象に見える」といったものですね。
中学生にしては非常に高度なテクニックでしょう。
バイオリン作れちゃいます。
月島雫がアンティークショップ「地球屋」に来た時に、天沢誠二はバイオリンを作れることを明らかにします。
この時お店には二人きりです。
仲を深める絶好のチャンスなのですが、天沢誠二は月島雫とは別の部屋でバイオリンの修理の作業をします。
そう、バイオリン作成ができることをアピールするために。
男爵をみて満足した雫は天沢誠二のところへ行き、「ねっ、それもしかして、バイオリン作ってるの?」と反応しており、「すごいなあ。よくこんなの作れるね。まるで魔法みたい。」と関心もしています。
そして月島雫に自分のバイオリンを見せてほしいと言われ、天沢誠二は「そのくらいのもの誰でも作れるよ。まだ全然だめさ。」と謙虚さを出しながらも自分が作ったバイオリンを見せます。
そして、月島雫にバイオリンを聴かせてほしいと言われます。
バイオリン即興で弾けます
出典:公式サイト
月島雫にバイオリンを聴かせてほしいと言われた天沢誠二はやや拒んでいましたが、「よーし! そのかわりお前、歌えよ!」と発言します。
そして「歌えよ。知ってる曲だからさ。」といって、「Take Me Home, Country Roads(カントリーロード)」を奏で始めます。
なかなか即興で弾けるものではないでしょう。
天沢誠二は事前に月島雫が和訳して作っていた「コンクリートロード」を知っていました。
このことから、月島雫の前でバイオリンを弾くことを前もって想定しておき、猛練習をしていたのではないかと考えられます。
それをまるで即興で弾いているかのように魅せる。
完璧なシナリオでしょう。
カップルの空気を作り上げる
卒業後の進路が決まって月島雫に報告しに行くシーンがあるのですが、この時他者を利用して月島雫との関係をうかがわせる空気を作ります。
雨の日のお昼休みです。
雫のクラスには全員いるのだが、そのクラス全員が見ている前で「月島いるかな?」と声を掛けます。
クラス以外の男子が女子を呼び出す。これは見ているほうは非常に印象的な出来事です。
私だったら、わざわざ別の人間に聞かず自分の目で見つけて声を掛けます。
見ればわかることですからね。
そして、「わーい、月島に男がいたぞーっ。」「おーい、月島、面会だぞ。オトコの。」と周りは沸きます。
そして「お前ら付き合ってるんだろ?」という空気が出来上がり、クラスでは「オトコ!オトコ!」というコールで溢れました。
これもすべて思惑通りのなのでしょう。
運命を強調するストーキング
出典:公式サイト
夜明け前のシーンで、天沢誠二が「雫に早く会いたくてさ。何度も心の中で呼んだんだ。“雫!”って。」と言う名シーンがあるのはご存じかと思います。
夜が明ける前という時刻に、月島雫の自宅付近にいるのはかなり不自然。
「奇跡だ!本当に会えた!」と、まるで雫が顔を出したのが偶然のように演出していますが、さすがに家の前を徘徊していたという事実は恋人通しだとしてもいい気分ではないものです。
そして俺のヒミツの場所という景色を眺められる場所に連れていき、「今すぐってわけにはいかないけど、俺と結婚してくれないか?」とプロポーズまでしてしまいます。
まとめ
ここまでが天沢聖司の行動がストーカーと言われている疑惑、そしてサイコパスと言われている所以となります。
もちろん、彼の行動を面白おかしく考察した目線でこのような内容でまとめているのですが、それでも高度な恋愛テクニックとストーカー行為は、かなり紙一重だなとも思える内容ではないでしょうか。
純粋にみていた私はイケメンで完璧な男な印象でしたが、こういった目線で見ることで狂気的にも見えるためかなり楽しめました。
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「耳をすませば」は金曜ロードショーなどで放送されることが良くありますが、この「天沢誠二ストーカー説」はたびたび話題になりますね。